鼻からの胃カメラ
初めて細径経鼻内視鏡が発売されたのは2003年のことでした。10年ほど前までは、胃カメラといえば口からが当たり前でしたが、最近では機器の性能も向上し、鼻からの胃カメラが口からのものに負けず劣らず高性能となってきました。
文字どおり、鼻の孔から直径5mmちょっとのカメラを挿入し、のどから食道へと進めていきます。口からの胃カメラと同じように、十二指腸までみることができます。
胃内の洗浄粘液除去のお薬を飲んだ後、麻酔は鼻の孔にします。局所血管収縮薬とともに麻酔薬をスプレーする方法と、麻酔薬を塗ったチューブを鼻の孔に通す方法が主流ですが、当院ではスプレー法にて麻酔をしています。
鼻孔の広さは個人差がありますので、狭い方だと麻酔をしていても少し痛いかもしれません。痛ければおっしゃってください。潤滑ゼリーを多めに塗って、そっと入れていきます。
もっと狭い方だとカメラが鼻孔を通過しないこともあります。その場合は、のどに少量の麻酔スプレーを追加して、口からの挿入に切り替えます。この場合、鼻用の細いカメラのまま口から入れさせていただいています。
鼻からのカメラでも、まったく咽頭反射(おえっとなる反射)がないとは限りません。のどを通過するときに咽頭反射がみられる方もありますが、最初だけでだんだん慣れてくることがほとんどです。口からのカメラと違って検査中にお話もできます。
口からの胃カメラ
口からの専用の胃カメラも、精密検査や早期胃がんを切除するような治療では必須です。直径はだいたい9-11mm程度、機種にも寄りますが、画質の良さや操作性ではやはり細いカメラより有利です。
最近の経鼻胃カメラは口からの挿入にも対応しており、画質も十分なことから、当院では現在、どちらも経鼻用の細い胃カメラで行なっています。
経口で胃カメラをする場合も胃内の洗浄粘液除去のお薬を飲んだ後、のどに麻酔をしてから検査を始めます。
のどの麻酔は、キシロカインビスカスというドロッとした麻酔薬を口の奥に5分ほど含んでもらうことが多いですが、当院ではこのキシロカインビスカスを凍らせたものを口の奥でゆっくり溶かしてもらう方法をとっています。
咽頭反射(おえっとなる反射のこと)が強い方などは少量の麻酔スプレーを追加する場合もあります。
いよいよカメラを入れる際には、できるだけ力を抜いてリラックスしてください。医者の腕ももちろん関係ありますが、患者さんも上手に力を抜けている方が苦しくなく検査できます。力を抜いてって言われても、出来ないかもしれないですよね、出来るだけで良いです。それと舌でカメラを押さえてしまわないように、舌の力を抜いてください。