大腸カメラについて

肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察します。大腸炎やポリープ、ガンなどの病気の診断をします。

  • 大腸がんの多くは、良性の大腸ポリープの一部が悪性化して発生することがわかっています。良性のポリープのうちに切除してしまうことで、将来のがん発生の予防になります。また、ポリープの一部のみががん化しているような初期のがんであれば、内視鏡で切除することで完治できます。
  • 前処置として、検査前日の夜から当日午前中にかけて下剤・腸管洗浄剤を服用し、腸の中をきれいにしておく必要があります。

  • ポリープが発見された場合は、大きさ、個数によって、可能であればそのままポリープ切除手術も行っています。

  • 大腸内視鏡検査を予約していただく際には、状態の把握や、検査適応・緊急度の判断のため一度受診していただいております。電話のみでの予約はできません。

  • 下血した、血便が出たなどで緊急性があると判断した場合には、下剤を飲まずに直腸からS状結腸程度までの範囲の内視鏡検査を初めて受診された当日に行うことがあります。


大腸CT検査との違い

普通に横になって撮影するだけの腹部CT検査だと、腸が膨らんでいなかったり、腸内に便があったりして大腸内の様子を詳しく知ることはできません。明らかに進行した大腸がんや強い炎症所見があれば第腸壁に肥厚などで診断できますが、大腸内の5mmや10mmのポリープまで診断するには、それなりの準備をして、大腸にターゲットを絞った大腸CT撮影をする必要があります。

前日から食事内容の制限や下剤の服用をして腸内をきれいにし、CTを撮影します。撮影前に、肛門から二酸化炭素を注入し、大腸を膨らませた状態で、仰向けとうつ伏せでCTを撮影します。3D-CTにて立体的に、大腸の走行状態の把握や内壁の凹凸の確認により5mm以上のポリープであれば診断できることが多いです。大腸CTでポリープや腫瘍が疑われたら、大腸内視鏡を行う必要があります。

当院では大腸CT検査は行っていませんので、大腸CT検査をご希望の方は他の施設をご紹介いたします。

注腸造影検査との違い

胃のバリウム検査のように、お尻からバリウムと空気を注入して大腸の写真を撮る検査を注腸造影検査といいます。

他の検査と同様、事前に下剤を飲んで腸の中を綺麗にしておく必要があります。検査の際にはバリウムを奥へ流し込んだり、写真を撮ったりするために検査台の上でぐるぐると体を回して動いてもらう必要がありますので、足腰の弱ったお年寄りなどには大変な検査です(検査台そのものが回るタイプもあります)。

カメラの場合、多少の便や液が残っていてもカメラで吸引したり洗い流したりしながら観察できますが、注腸造影検査では、腸の内容物が多いとうまくバリウムが腸壁に付着せずに、診断が十分にできなかったり、小さな便や食物残渣がポリープのように見えたりすることがあります。

大腸全体の形や長さをみたり、憩室(腸の壁にできる窪みのようなもの)の診断をするのにはカメラよりも注腸造影の方が優位な点もありますが、ポリープやがんを疑った場合、結局はカメラをして診断をつけたり切除の治療をしたりする必要があります。

最近は大腸カメラも以前より行いやすくなったこと、また大腸CTも利用できるようになり、注調造影検査が施行される頻度は減っていると思われます。


当院では注腸造影検査は行っていませんので、注腸造影検査をご希望の方は他の施設をご紹介いたします。




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